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大腸は病気の発信源!「腸内の善玉菌を増やす」

2011/11/11(金)

「大腸の健康を保つことが体の健康維持にもつながる」
人が生きていくためになくてはならない器官であり、健康の要でもある「腸」。腸には小腸と大腸があり、どちらも同じように考えられがちですが、その働きは全く異なります。
小腸は、消化吸収機能の主役で、その働きも活発です。一方、大腸は「消化物から水分を吸収して便をつくり、ためておく」のが主な働き。排便のための土管のようなもので、動きも活発ではありません。
しかし、実は体内でもっとも病気の種類が多いのが大腸だといわれています。その原因は、大腸に棲む腸内細菌。それらのうち、悪玉菌がつくる有害物質が腸内環境の悪化によって腸内に蔓延すると、毒素や老廃物がたまって免疫力が低下。大腸がんやポリープなど腸そのものに起きる病気をはじめ、肌荒れやアレルギー症状、動脈硬化など一見、腸とは関係ないと思われがちな体の様々な不調を招くのです。
腸内環境は、ストレスや運動不足などの生活環境や加齢でも悪化しますが、特に気をつけたいのが食生活。腸内細菌は、食べ物が消化吸収された後の残りカスをエサに増殖するため、どんなものを食べるかが腸内環境を整える上でとても重要になるのです。

「善玉菌を増殖させることが腸内環境正常化の鍵に」
私たちの腸内には、約500種類・約100兆個もの腸内細菌が存在し、体に良い作用をもたらす善玉菌と悪い作用をもたらす悪玉菌、そして両方の働きをする日和見菌の3つに大きく分類されます。
善玉菌と悪玉菌は、腸内という限られた空間の中で常に熾烈な勢力争いをしており、日和見菌は優勢な方に味方します。これらのバランスが腸内環境の善し悪しを左右しているのです。
腸内にある悪玉菌が増えやすいのは腸内環境がアルカリ性のとき。悪玉菌は酸性の環境を嫌い、アルカリ性のときに増殖が活発になります。一方、善玉菌が増えるのは腸内が酸性のとき。善玉菌は酸性の環境を好むため、酸性であればあるほどますます優勢に。つまり、腸内を酸性に保ち、善玉菌が暮らしやすい環境を整えることが、善玉菌を増やしてその働きを後押しすることになるのです。

「善玉菌を外から補うことが腸内の善玉菌を増やすことに」
善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌は、食物繊維やオリゴ糖を分解して、乳酸や酢酸などの酸を産生し、腸内を酸性に保ちます。するともともと腸内に棲んでいる善玉菌も活発になり、腸の働きを積極的にサポート。便秘や下痢を防ぎ、免疫力の向上やコレステロール上昇抑制、悪玉菌の増殖抑制も行ってくれます。
以前はビフィズス菌や乳酸菌を食べても胃酸で死滅することが多いといわれていましたが、最近では酸に強い菌が使われたり、菌を胃酸からガードできるように工夫されているものが増えています。そのため、ヨーグルトなどビフィズス菌や乳酸菌が含まれる食品(プロバイオティクス)を食べ、外から善玉菌を継続的に補給することが腸内の善玉菌増殖にはとても効果的。次のような成分を積極的に摂り、腸内環境の改善に役立てましょう。

【腸内環境を整え、免疫力を高めるビフィズス菌】
善玉菌を代表する菌のひとつ。腸内環境を乱す大腸菌やウェルシュ菌など悪玉菌も増殖を抑え、大腸の蠕動運動を促して腸内環境を整えます。便秘や下痢を改善するほか、免疫力を高める働きがあるともいわれています。

【ビフィズス菌の増殖をサポートする乳酸菌】
ヨーグルトや漬け物などの発酵食品に多く含まれ、ビフィズス菌や酪酸菌の増殖力を高める成分。乳酸を産生し、腸管内の環境を弱酸性に整えることで善玉菌の増殖を助ける一方、酸が苦手な悪玉菌を減らす働きもあります。

【悪玉菌の増殖を抑える納豆菌】
名前の通り、納豆に含まれる菌のひとつ。ビフィズス菌や乳酸菌など善玉菌の増殖力を高め、悪玉菌の増殖を抑える働きもあります。

【腸管壁の強化に役立つ酪酸菌】
医薬品としても使われてきた菌のひとつで、ビフィズス菌の増殖力を高める成分。また、酪酸菌が産生する酪酸は腸管壁の栄養となるほか、腸内を酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。

【腸粘膜の健康維持に不可欠なビタミンB2、葉酸】
皮膚や粘膜の健康維持に必要で、肌荒れなどにも効果的な栄養素です。

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